池田純税理士事務所

富山県富山市の税理士事務所のブログです。

仮想通貨(ビットコイン等)の所得の計算方法と税務申告  

 

 ビットコインをはじめと仮想通貨の売却や使用については、原則として雑所得に該当し所得税の確定申告が必要になります。
 株式や投資信託などは分離課税で譲渡益に対する税率は約20%ですが、仮想通貨の譲渡益は原則として雑所得とされるため給与所得や事業所得などと合わせて累進課税されますので、所得の高い人ほど高い税率が課せられることになります。
給与所得者等の方で計算した雑所得の金額が20万円以下の場合など、確定申告が不要な場合は申告の必要はありません。
そこで仮想通貨についての所得の計算方法について解説したいと思います。

 仮想通貨についての所得は、売却価額-取得価額で計算されます。まず、簡単な例で所得の計算方法を説明します。


-1ビットコイン(BTC)あたり100,000円(手数料を含む)で5ビットコインを  
 500,000円を購入
-その後、1 BTCあたり500,000円で2 BTCを売却


売却分の所得
 1,000,000(=500,000円×2BTC)-200,000円(100,000×2 BTC)
  =800,000円

 保有中の3 (=5-2)BTCについては含み益が発生していますが、売却するまでは所得にはなりません。含み損が発生している場合も同様です。また、売却ではなく他の通貨と交換した場合やビットコインで商品を購入した場合は、他の通貨やその商品の価格(時価)でビットコインを売却したものとして課税されます。

 次に年間に複数回、売買をしている場合です。この場合は、取得価額の計算が複雑になります。原則として移動平均法を用いますが、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても構いません。



3月 1BTCあたり300,000円で4BTC購入
7月 2BTCあたり500,000円で2BTC売却
10月 1BTCあたり600,000円で2BTC購入
11月 1BTCあたり800,000円で2BTC売却

① 移動平均法の場合

 7月の売却の所得 
1,000,000円(500,000円×2 BTC)-600,000円(300,000円×2 BTC) =400,000円

11月の売却の所得 
  
 11月の時点のビットコインの簿価
  300,000円×2(4-2)BTC+600,000円×2 BTC=1,800,000円
  保有BTC 4-2+2=4BTC
  1BTCあたりの取得価額 1,800,000円÷4(保有BTC数)=450,000円

所得 
1,600,000円(800,000円×2 BTC)-900,000円(450,000円×2 BTC) 
  =700,000円

 年間の所得 400,000円+700,000円=1,100,000円

② 総平均法の場合

年間を通しての平均取得価額を計算
購入額の合計 300,000円×4BTC+600,000円×2BTC=2,400,000円
購入数量の合計 4+2=6BTC
1BTCあたりの取得価額 2,400,000円÷6BTC=400,000円

7月の売却の所得 
1,000,000円(500,000円×2 BTC)-800,000円(400,000円×2 BTC)=200,000円

11月の売却の所得 
1,600,000円(800,000円×2 BTC)-800,000円(400,000円×2 BTC)
800,000円

年間の所得 200,000円+800,000円=1,000,000円

となります。移動平均法は各売却時点で取得価額を計算し、総平均法は年間をとおしての平均取得価格を計算しますので、値上がりが続いて年間をとおして売買を繰り返している場合は、総平均法のほうが取得価額が大きくなり、所得を低く計算できることが多いかと思います。計算のためには取引所の取引レポートなどを1年分ダウンロードし、エクセルなどの表計算ソフトで計算することになると思います。計算の根拠資料を申告書に添付して提出しましょう。




(参考資料)

仮想通貨に関する所得の計算方法等について(国税庁)

タックスアンサー

確定申告が必要な方
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category: 所得税

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ビットコインの損益は雑所得 

 

 最近話題になっているビットコインなどの仮想通貨の取引ですが、その所得について国税庁が見解を発表し原則として雑所得とされることとなりました。分離課税とされる株式や投資信託の譲渡益とは異なり、総合課税となります。雑所得については以下の点に注意する必要です。

(1)他の損益通算できない。
(2)翌年以降への損失の繰越ができない。
(3)累進課税が適用される。

 (1)については仮想通貨の取引で譲渡損が出ている場合に給与所得や事業所得などの所得との相殺ができない、(2)については損失を翌年の利益と相殺することができないということです。株式や投資信託の特定口座では3年間の損失の繰越が可能になっています。(1)、(2)については利益が出ている場合には影響はありません。
 (3)の累進課税については特に他の所得が高額な方や仮想通貨の利益が大きい方は注意が必要です。株式や投資信託の譲渡益は一律約20%の税率ですが、累進課税となると所得が大きい部分ほど税率が上がります。他の総合課税の所得と合計した所得から所得控除を控除した額が195万円以下の部分は税率5%ですが、4,000万円を超える部分は45%の税率がかかります。さらに住民税も10%かかります。株式や投資信託に対する税金は源泉徴収されていますが、雑所得については計算した結果、確定申告で思わぬ高額な税金がかかることがあります。利益が出ている場合にもすべて手元に残るわけではないので確定申告や税金の支払のことも考えておきましょう。


(参考資料)

所得税の税率

category: 所得税

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配偶者控除の改正 

 


 平成30年1月より配偶者控除および配偶者特別控除が改正されます。

(1) 配偶者控除
 配偶者控除は、納税者に所得が38万円以下(給与収入で103万円以下)の配偶者がいる場合に38万円(70歳以上の配偶者は48万円)の所得控除が受けられる制度です。これまでは納税者の所得制限はありませんでしたが、今回の改正により所得が1,000万円を超える納税者は配偶者控除が受けられなくなります。また、合計所得が900万円を超えると下表のとおり段階的に配偶者控除の金額が減額されます。


配偶者控除1


(2) 配偶者特別控除
 配偶者特別控除は納税者の所得が1,000万円以下の場合で配偶者の所得が38万円を超え76万円以下の場合に所得控除(最高38万円)が受けられる制度です。今回の改正により配偶者の所得が85万円(給与収入で150万円)以下であれば配偶者控除と同額の38万円の所得控除が受けられることになりました。また、配偶者の所得の上限も123万円まで引き上げられます。配偶者の所得金額ごとの所得控除の額は下表のとおりです。


① 納税者の所得金額が900万円(給与収入が1120万円)以下の場合

配偶者控除900



② 納税者の所得金額が950万円(給与収入が1,170万円)以下の場合

配偶者控除950


③ 納税者の所得金額が1,000万円(給与収入が1,220万円)以下の場合

配偶者控除1000

今回の改正により、配偶者の給与収入が150万円までであれば38万円の所得控除が受けられることになりますので、配偶者控除を受けるために配偶者の収入を103万円に抑えていた方にとっては有利になります。一方、所得が900万円(給与収入で1,120万円)を超える方については、配偶者控除がなくなる、または減額されますので不利になります。

一方、社会保険の扶養の範囲については配偶者の年収130万円以下が基準となります。年収を150万円まで上げると税金の控除は受けられますが、社会保険の扶養から外れることになります。そのため、配偶者自身が勤務先で社会保険に入るか、配偶者が国民年金や国民健康保険の保険料を払う必要があります。国民年金の保険料だけでも年間20万円ほどになりますので、配偶者の給与の年収を抑えるのであれば、150万円に抑えるよりは130万円までに抑えるほうが有利かと思います。来年以降、配偶者の年収を調整されている方は今回の改正の内容を踏まえて働き方などを考えてみてはいかがでしょうか。

category: 所得税

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所得税の改正(平成28年) 

 

 

平成28年から適用される所得税の改正について主なものを紹介します。

 
1.三世代同居に対応した住宅リフォームに係る特例

 自己が所有する家屋に下記の要件を満たす三世代同居対応住宅への改修工事を行い、平成2841日から平成31630日までに居住の用に供したときは、次のいずれかの特例を適用できます。

 

【対象工事】
 1.キッチン 2.浴室 3.トイレ 4.玄関

【対象工事要件】
 ①上記1から4のいずれかの増設を行う

 ②改修後に上記1から4の設備のうち2つ以上が複数になること

  例えば、改修後にキッチンと浴室がそれぞれ2つ以上になる

 ③対象工事の費用が50万円を超えること

 

【受けられる特例】

(1)ローン控除の特例

  三世代同居対応改修工事を含む増改築工事に係る住宅ローン(借入期間5年以上)の年末残高1,000万円以下の部分について、一定割合を乗じた額を5年間の各年において所得税から控除

 

   控除額 =年末ローン残高 × 控除率(下表)

三世代同居 

 
(2)税額控除の特例

  三世代同居対応改修工事の標準的な費用の額の10%相当額(限度25万円)を、その年分の所得税額から控除

 

 住宅ローン控除との併用は不可

  ※適用を受ける場合は、三世代同居改修工事が行われた家屋である旨を証する書類及び登記事項証明書などを添付して確定申告をする必要があります。

 (1)については、控除率が2なので住宅ローン控除や通常の増改築工事の控除よりも控除率が良いです。また(2)についは住宅ローンではなく自己資金で工事を行う場合も適用できます。既に三世代同居している方や三世代同居を検討している方で対象の工事が必要な場合は、この制度の適用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

2.空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

  被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、平成2841日から平成311231日まで間に、その家屋(その敷地を含む。その家屋に耐震性がない場合は耐震リフォームをしたものに限る。)又は家屋を除却(取り壊し)後の土地を譲渡(相続時から3年を経過する日の属する年の1231日までの譲渡に限る。)をした場合は、その家屋または除却後の土地の譲渡益から3,000万円を控除することができます。

 

 例えば、平成28年に譲渡する場合は、平成2511日以降の相続で取得した家屋について譲渡益が発生した場合が対象となります。

 

【主な適用要件】

 ①  相続した家屋は、昭和56531日以前に建築された家屋(マンション等を除く)であって相続発生時に被相続人以外に居住者がいなかったこと

 ②  譲渡した家屋又は土地は、相続時から譲渡時点まで居住、貸付、事業の用に供されていなかったこと

 ③  譲渡価額が1億円を超えないこと

 

 昭和56531日以前建築されたに被相続人(亡くなられた方)が一人で住んでいた家屋が対象ですので、相続した家屋すべてが対象となるわけではありません。また耐震性がない場合は耐震リフォームをした後に譲渡することが要件となっていますので、実際は相続後に家屋を取り壊して空き地を売却するケースのほうが多くなるかと思います。

 

3.給与所得控除の上限引き下げ

 給与所得控除の上限が245万円から230万円に引き下げられます。給与収入が1,200万円以上の場合は、給与所得控除は一律230万円になります。

  

4.通勤手当の非課税限度額の引き上げ

 交通機関を利用して通勤する場合の通勤手当の非課税限度額が、10万円から15万円に引き上げられます。なお平成281月以降に支払われる通勤手当から対象になります。

 

category: 所得税

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